新型コロナウイルス対策レポート (5月1日)「従業員のオフィス出社を前に検討するべき事」など

05/01/2020

ニュース企業のご担当者様向け

新型コロナウィルス感染の収束に際して、従業員のReturn to Workの基準を考えるうえで、経営判断には「経済活動の継続」と「社員やコミュニティの安全の確保」の両方の実現が必要です。そして、そのバランスを上手く図る作業と、決定した背景や目的を従業員をはじめ関係者に理解してもらうためのコミュニケーションが重要であり難しいところです。トランプ大統領による経済再開に向けての会見においても、ビジネス再開を推奨したり、州知事が早まるとその決断に対して非難したりなど、経済活動の継続と安全性の間で揺れていることが窺えます。
連邦政府は4月16日に、経済活動や市民生活の再開に向けてのガイドラインを発表し、3段階に分けて緩和をしていく方向性を述べました(ご参照:米国パソナブログ)。これに伴い、各州ごとに基準を発表し、徐々に再開を試みているなか、私たち企業側も、各社が自社の判断によりReturn to Workの基準をクリエイティブに考え、After Coronaの世界に向けた準備をする必要があると考えます。本日は、HR Linqs社からご寄稿いただき、「従業員のオフィス出社を前に検討するべき事」として、人事・労務に関わる部分への留意点をご紹介させていただくとともに、これに関連するニュースをお届けします。

【従業員のオフィス出社を前に検討するべき事】

従業員のオフィスへの出社を再開するうえで検討をすべき項目が多数あることを理解するべきです。まずは、各州や自治体で経済活動再開のガイドラインが設けられていれば、そのガイドラインに従うことが重要です。
まず、従業員へ出社を促すうえで、企業の検討事項は大きく2種類に分類されます。

  • ポリシーや行動規範の確認および修正
  • 安全・健康面の対策

 ポリシーや行動規範の確認および修正 

COVID-19の影響を受けてファーローやレイオフを行った企業も少なくないでしょう。州法・条例に関しては従業員数に応じて順守する内容が異なる場合があり、従業員数の変更によって見直しが必要となる項目のひとつです。Families First Coronavirus Response Act (FFCRA)にて定められたEmergency Paid Sick Leave、Paid Expanded Family and Medical Leaveなど、期間限定で提供が義務付けられているベネフィットも従業員数に応じて適用有無、免除要件などもあり、適用されうる法律、運用を再度確認すると良いでしょう。
出社が可能となった場合でも、当面は限定的な人員(出社をすることでしかできない業務に携わる従業員)のみを出社させるという措置を取る企業も多いはずです。またCOVID-19を機に普及した在宅勤務が一過性とは考えにくく、在宅勤務導入を前提としてポジションごとにジョブ・ディスクリプションの見直しを行い、在宅業務の可能なポジションとそうでないポジションの区別を明確にすると共に、COVID-19収束後も在宅勤務を取り入れる仕組みや方法を検討することが最善であると考えます。就労規定に加えて、出張規定も、大きく変わると予想されるポリシーのひとつです。出張の必要性の見直しや安全性の確保に関するガイドラインの設定、所要経費の見直しなどが必要になる場合もあるかもしれません。

安全・健康面の対策

企業は安全で健康的な職場を提供する義務があります。COVID-19後に従業員に出社を促す際は、これまで以上に職場の安全面に留意すべきです。
まずは企業として、出社をする必要のある従業員に、企業としての安全対策を伝え、安心して出社するよう事前通知を行うことが望ましいでしょう。同時に、出社を避けるべき状況(COVID-19の症状があるなど)についても注意喚起を行う必要があります。具体的には、社内でのマスク着用義務、体調がすぐれない従業員の帰宅、社内デスクの配置、出社する従業員数の限定や会議室の使用人数(一度に何人まで集まれるか)が考慮すべき点です。またCOVID-19関連の症状を訴えた従業員には、他の病状と同様にプライバシーがあることも留意してください。感染をした(または疑いのある)従業員個人を特定できる情報を公表することは違法となる可能性が高いと考えましょう。企業としての安全・健康面での対策を考慮する際にも、差別的な要因などが含まれていないことが前提です。

次に、従業員へ出社を促す際に、従業員からの想定質問についてご紹介します。

出社を拒否する従業員の対応 

COVID-19の影響により在宅勤務を行っていた従業員のうち、出社を拒否する従業員が出てくる可能性もあり、正解がひとつではないことを念頭におくべきです。なぜ出社をする必要があるのか、企業として安全面を考慮した対策を講じていることなどを明確に伝えてください。出社拒否の理由がOSHAの安全面のガイドラインに基づく懸念、もしくは従業員が権利として認められている休職に則った休職申請であれば、従業員が出社を拒否したとしても認めざるを得ないのが通常です。また、学校や保育施設が休校しているなかで、子供のいる従業員から出社ができないという質問が出ることも考えられます。

ファーロー従業員の復職拒否 

ファーロー従業員の復職拒否も考えられます。これは職場での安全面ではなく失業保険での受給額が給与を上回ることで起こる場合もあるでしょう。例えばCA州の場合、失業保険の受給資格のひとつに、求職中であるという条件がありますが、現在はCOVID-19による失業給付急増を受けて同条件が一時的に免除されています。これも従業員が復職に難を示す一因となる可能性があります。COVID-19関連での明確な理由のない復職拒否については、必ずしも容認する必要はありませんが、各州・都市の状況と共に、対象従業員の復職拒否理由を確認したうえで対応を検討をすることが望ましいです。

復職に当たり雇用書類は必要か

レイオフで一旦雇用終了となっていたり、ファーロー中のステータスから復職をする場合には書面による復職通知を行うことが望ましいです。レイオフであっても、雇用継続と認められる休職の場合には新規でI-9の記載をする必要はありません。I-9の再記入義務において、雇用継続と見なされるかどうかは以下のURLをご参照ください。
執筆ご協力:HR Linqs, Inc.
榊原将 / Sho Sakakibara
Email : ssakakibara@hrlinqs.com
こちらからも同記事をご覧いただけます

DOL:経済再開のオンラインダイアログを開設】

米国労働省(DOL)は、経済再開、オフィスオープンに向けて、安全確保のより良い方法についてのアイディアを募るため、オンラインダイアログ「Opening America’s Workplaces Again」を開設しました。これは、労働者と雇用者向けのガイダンスとして、事業再開時に起こりうる課題について一般からのアイディア収集を図る目的として行われています。同ダイアログは、5月7日まで続く予定です。

CDC:Reopening cleaning guidanceを発表】

経済再開へ向けて、CDCがReopening cleaning guidance発表しました。同ウエブサイトでは、今後さらなる詳細情報がアップデートされていくと考えられます。
※参照:CDC / U.S. Department of Health & Human Services


【米国パソナ
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